リーンではじめるソーシャルビジネス!

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未知なる世界を切り拓くための歩き方

スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビューのレポート「The Promise of Lean Experimentation(リーン方式を試して見えてくるもの)」が面白い。筆者も途上国の未知なる世界でソーシャル・エンタープライズを立ち上げてきたが、混沌の中から見えてくる機会をいかに把握し、継続的なビジネスを構築すべきか、大いに悩み、たくさんの失敗を重ねてきた。ここで著者のPeter MurrayとSteve Maが提案しているのは、営利目的のベンチャー企業や大会社の新規事業において注目されているリーン方式を非営利やソーシャルビジネスでも応用すべきというものだ。

例えばアフリカで児童にデジタルブックを配信するWorldreaderの事例。とかく大きなビジョンを描き、詳細は計画を立てて、実行にあたるものだが、Worldreaderの考えは全く逆で、まずは最小限のテストを行うことにこだわる。そこから得られた知見を生かしながら改善を少しずつおこない、時には思い切って根本的に方向性を見直す。この小さな繰り返しで、リスクを最小限に抑えながら、未知なる世界を開拓し、ビジネスを組み立てていく。いまや毎月18万5千人のユーザがWorldreaderのサービスを利用しているという。

http://www.worldreader.org/

著者は、簡単にはいかない現状も指摘する。ドナーは相変わらず「計画と実行」を基準にプロジェクトを評価しているので、しっかりした計画もない中で「実験」ばかりを繰り返すリーン方式はすんなりとは理解されない。プロジェクトの途中で計画を変更することは受け入れがたいと考えているドナーも多い。

いずれにせよ、未知な世界を切り拓くための有効な方法論には違いない。是非興味ある人は一読あれ。

The promise of lean experimentation (Stanford Social Innovation Review June 2015)

途上国でオンライン・ビジネスを展開する方法!

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先進国で成功したオンライン・ビジネスを途上国へ展開するためには何が重要か?

ハーバード・ビジネス・スクールのウィリアム・カール教授は「オフラインの要素が最も大事となる」と説明する。オンライン・ビジネスで「オフラインが大事」とは意外に思えるかもしれないが、それぞれの国の独特の文化、システム、規制などの課題を乗り越えることが一番重要だと教授は協調する。ビジネスモデルの複製はローカル化が成否を握るのだ。

現地独特の文化や参入障壁はリスクであると同時に機会であり、ローカル化の壁は、乗り越えれば自らのビジネスを守る城壁にもなる。

カール教授が指摘する異国でのオンライン・ビジネス成功の要点は以下の3つ。

・参入障壁を自分の味方に付けよう
・モデルの中身は大きく変わることを覚悟すること
・現地で機能している独特のネットワークに注意を払うこと

オンライン・ビジネスの可能性は途上国で大きく広がりつつある。新しいフロンティアを目指す者はカール教授の指摘に耳を傾けてみよう。

How local context shapes digital business abroad (Harvard Business Review)